テクニカル指標の中で、相場の過熱感を捉える事の出来るオシレーター系指標の、最も代表的な一つが「RSI」です。
オシレーターとは、振り子という意味で、一定の範囲で行き来する様子からオシレーター系の指標と呼ばれます。
『RSI』はこの上下に行き来する数値から、相場の買われ過ぎや売られ過ぎを判断する事が出来るようになっています。
相場の買われすぎや売られすぎを知る事が出来るようになると、エントリーやイグジットのタイミングをつかむ事も可能になります。
オシレーター系の中で一番使われている「RSI」を知ってトレードに活用しましょう。
「RSI」とはどんな指標なのか
「RSI」とは、『Relative Strength Index』の頭文字で、日本語に訳すと『相対力指数』となります。
日本語に訳すと分かりづらいですが、全体の変動幅の中で、上昇力の相対的割合を算出し、相場の強弱を知る事の出来る指標です。
0%~100%の間をラインが行き来しており、ラインが30%以下で売られすぎ、70%以上で買われすぎと判断します。
【RSIの算出方法】
RSI=A÷(A+B)
A:一定期間の上昇幅の平均
B:一定期間の下落幅の平均
「RSI」から何を読み取るか
「RSI」のゾーンやラインの動きから、相場の強弱やトレンドの変化を読み取る事が出来ます。
「RSI」から読み取れるサインをエントリーやイグジットの目安とする事で、判断がスムーズになります。
ゾーンから判断する
「RSI」では、20%~30%以下が売られすぎゾーン、70%~80%以上が買われすぎゾーンとなり、相場の強弱を読み取る事が出来ます。
行き過ぎた値動きは戻っていきますので、「RSI」が20%~30%以下に来たら買い、70%~80%以上に来たら売りでエントリーできます。
RSIの最も簡単な活用方法が、この逆張りの手法です。
ゾーンに来たらエントリーするだけですので、非常にわかりやすい点が支持されているのです。
ダイバージェンシーから判断する
ダイバージェンシーとは、逆行現象の事を指します。
相場は高値(安値)を更新しているのに、RSIは高値を更新していない時が、ダイバージェンシーが発生している状態です。
ダイバージェンシーが発生すると、それまでのトレンドが終わり、相場が転換する可能性があると見る事が出来ます。
こうした特性を利用すると、ダイバージェンシーが発生した点を保有ポジションの利確などに利用する事が出来ます。
但し、注意しなくてはいけないのは、ダイバージェンシーはトレンドの勢いが弱まった所で発生するので、必ずトレンド転換が起こるわけではありません。
その為、イグジットポイントとして利用するのは比較的簡単ですが、逆張りのエントリーポイントとしては、少し難易度が高くなると言えます。
また、『ヒドゥンダイバージェンシー』という現象を確認出来る事もあります。
この『ヒドゥンダイバージェンシー』の発生からは、『トレンドの継続』を知る事が出来ます。
『ヒドゥンダイバージェンシー』はリバーサルとも呼ばれ、ダイバージェンシーの逆と考えると分かりやすいです。
上昇トレンドで安値を切り上げている時に、RSIは下値を更新している状態が『ヒドゥンダイバージェンシー』です。
RSIは全体の値動きに占める、上昇や下落の割合ですので、少しずつでもトレンド方向に価格が動いていると発生しやすくなります。
『ヒドゥンダイバージェンシー』は、トレンドが強いことを表しているのです。
「RSI」も万能ではない
RSIは、値動きに占める上昇幅の割合ですので、上昇と下落を繰り返すレンジ相場では、効力を発揮します。
逆に、強いトレンド相場では、一方的に価格が動いている状態なので、うまく機能しない事があります。
特性上、RSIはレンジ相場に強く、トレンド相場に弱いのです。
エントリーポイントを知る為にRSIを利用する場合は、トレンドの方向性も確認した上でエントリーする事でだましを回避出来ます。
また、ヒドゥンダイバージェンシーの発生ポイントを、売り増し(買い増し)のポイントとする事も出来ます。
「RSI」とほかの指標を組み合わせる
前述の通り、RSIは強いトレンドが出ている時は機能しにくいので、トレンド系のインディケーターと組み合わせると効果的です。
トレンド系のインディケーターでトレンドの強さを確認しながら、RSIでトレンドの終わり等を知る事でイグジットが容易になります。
トレンド系とオシレーター系は、それぞれの弱点を補い合う組み合わせなので、よりエントリーやイグジットの判断が明確に出来るようになります。
RSIに限らず、トレンド系とオシレーター系のインディケーターを組み合わせて使う方法は非常に有効と言えます。
自分に適した組み合わせを見つけてみるのも良いでしょう。
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