RSIはオシレーター系の代表的なインジケータなので、利用しているトレーダーも多いでしょう。
『押し目買い』や『戻り売り』に『RSI』を活用すればより簡単にエントリーポイントが判断できるようになります。
しかし、RSIの特性を理解して使いこなしているトレーダーは意外にも少ないというのが実情です。
そこで、本記事ではRSIを使った押し目買い(戻り売り)を詳細に解説していきます。
さらに、RSIに組み合わせると効果的なインジケータについても解説しています。
『押し目買い』・『戻り売り』のエントリーロジックは頭で理解しているつもりだが、実際に利益を出せていないトレーダー必見です。
押し目買いと戻り売りはオーソドックスな順張り手法が基本
押し目買いと戻り売りはトレードの基本ですので、FXトレードの経験のある方なら説明不要といってもいいのではないでしょうか。
そのくらい『押し目買い』と『戻り売り』はFXにおけるトレードの基礎です。
簡単に説明すると、トレンド方向に価格が進む途中でつけた『押し安値』や『戻り高値』で買いや売りでエントリーする方法です。
トレンドに逆らわない順張り手法ですので、上昇トレンド中の押し安値で『買い』、下降トレンド中の戻り高値で『売り』をいれることになります。
押し安値・・・上昇トレンド中の一時的な下げで付けた安値
戻り高値・・・下落トレンド中に一時的な上げで付けた高値
トレンドは一度発生するとしばらく継続するので、トレンドに逆らわずにエントリーする押し目買いは基本の手法と言われているのです。
さらに、押し安値や戻り高値からエントリーする事で、損切りのリスクを最小限に抑えることもできるのが押し目買い(戻り売り)のメリットでもあります。
押し目買いは手法を理解していても稼げるとは限らない
じゃあ、押し目買いを知っていれば誰でもFXで勝てるんじゃないの?
きっと誰しもがそう感じると思いますが、残念ながら現実はそこまで甘くはありません。
その証拠に実際にFXトレードで利益を出せているトレーダーは全体の1割以下であると言われています。
押し目買いを理解していても勝てない理由にはいくつかあります。
ざっくりまとめると、押し目買いを頭で理解していても使いこなせているかは別ということなのです。
押し目買いや戻り売りはFXのトレード手法や入門書など、必ずと言っていいほど全てで解説されています。
つまり、押し目買いや戻り売りの手法はFXトレードをしているトレーダーならば必ず頭に入っている手法なのです。
それでも押し目買いで勝てないのは、頭で理解していても実際に利益を出せるほどに使いこなせているトレーダーは少ないと言い換えることができます。
押し目買いはオーソドックスだが、何処で切り返すか判断が難しい
特に押し目買いで勝てないトレーダーの特徴の一つに、押し目の判断が出来ていないという理由が挙げられます。
押し目だと判断してももう一段下がってしまったり、もう一段下がると思ったらその前にトレンドに復帰してしまったりといったことがこれにあたります。
なぜ押し目の判断が早かったり遅かったりするのかというと、押し目を判断する根拠が少ないからと言えます。
ここであなたに質問です。
Q:あなたは今どのような根拠で押し目を判断していますか?
フィボナッチで31.4%の押しを目安に判断している・・・
短期や中期移動平均線にタッチしたポイントを押し目の目安にしている・・・
このように自分の根拠をすぐに説明できるトレーダーは押し目を理解できています。
しかし、『何となくここまで下がったからそろそろ上がりそう・・・』と判断しているならば要注意です。
値ごろ感や勘でエントリーすると正しく押し目を判断できないので、結局損失が膨らんでしまいます。
RSIを使えば押し安値(戻り高値)がより明確に判断できるようになる
では、どうすればより明確に『押し安値(戻り高値)』を判断できるようになるかといえば、それは『RSI』を取り入れることです。
数ある指標の中からRSIをおすすめするのは、オシレーター系のRSIを使うことで押し目の判断に根拠を一つプラスすることができるようになるからです。
次のチャートをご覧ください。
ドル円チャートの4時間足にRSIを表示しています。
もみ合いから上昇トレンドに入っているので、『押し目買い』のエントリーポイントを探りたい場面です。
上昇から最初の押し目をつけそうな場面に黄色ラインを引いていますが、あなたはどこで価格が切り返すか判断できますか?
押し目買いを狙っている多くのトレーダーが迷ってしまうのは『一体どこが押し目になるのか?』ということなのです。
時間をさかのぼってチャートを見れば、『押し目』は簡単にわかりますが、リアルタイムではなかなか判断が難しいです。
その結果、早すぎるエントリーや遅すぎるエントリーになってしまい、収益チャンスを小さくしてしまうのです。
そこで、RSIに着目して押し目の見当をつけていきます。
先ほどのチャートで押し目の判断が難しかったポイントをRSIの数値とあわせて見てみましょう。
RSIの赤丸部分は30%に近い水準ですので、売られすぎを示しています。
つまり、上昇トレンドが終わっていなければ『そろそろ反転上昇するだろう。』と判断できるわけです。
図のチャートでは2か所同じような押し目買いのエントリーポイントを確認できます。
このようにRSIを活用すれば何となく押し目を判断していたものが、より明確な根拠を持って判断できるのです。
RSIについて詳しく知りたい場合は次の記事を参考にしてください。
RSIでトレンド判断する方法とは? 50%ライン を強く意識
RSIはオシレーター系のインジケータですので、相場の強弱を判断するのに強みを発揮します。
どちらかというとRSIはトレンドを判断するのには向いていないので、RSIだけでのトレンド判断はおすすめしません。
ただし、RSIなどのオシレーター系のインジケータは強いトレンドが発生すると上下に張り付く特性があります。
その特性を逆手にとれば、張り付いた場面では強いトレンドが発生していると判断可能です。
また、ちょうどRSIの中心である50%ラインは売りと買いの均衡ラインになるので意識されやすいポイントでもあります。
- RSIが一方向に張り付いた場合は強いトレンド発生中
- 50%ラインの上下で上昇か下落かの見当がつけられる
押し安値や戻り高値はRSI50%ラインタッチで形成することもよくありますので、押し目買いや戻り売りのポイント探しにも活用できます。
特に短期足や押しが弱めの時は50%ラインで反発することも多いので意識するようにしておくと便利です。
レンジ相場に強く、トレンド相場に弱いRSIの弱点克服法
先にも述べた通りRSIはオシレーター系のインジケータですので、トレンド相場には弱いです。
そこで、RSIの弱点を克服するには『トレンド系のインジケータと組み合わせる』ことが有効になります。
トレンド系のインジケータでトレンド方向やトレンドの強さを確認しながら、RSIで相場の過熱感を確認しながら押し目を判断します。
トレンドの始まりや終わりなども判断しやすくなるので、RSIとトレンド系のインジケータの組み合わせはおすすめです。
RSIを使った押し目買いの精度をより高めるには
RSIを活用した押し目買い手法は、その他のインジケータ・ツール・理論などを合わせて使うとより精度が高まります。
なぜ精度が高まるのかというと、RSIとチャートだけで押し目を判断するのに比べて、押し安値(戻り高値)を判断する根拠が増えるからです。
様々な形が現れるチャートにおいて、今後の値動きを判断する根拠は多いに越したことはありません。
RSIを使った押し目買いの精度を上げるコツは、オシレーター系指標を確認しながらトレンドを常に意識することです。
トレンドの方向を常に意識しておくこと!!
相場が動く目安を知っておく
押し目を判断するには相場が動くタイミングや目安を知っておくことも重要です。
具体的には代表的なチャートパターンやプライスアクションを頭に入れておくことです。
代表的な押し目のチャートパターンには次のようなものがあります。
チャートの水色の水平線はそれまでレジスタンスとして機能していました。
その後水平線を超えた後に水平線まで戻ってきた後に再度上昇しています。
この場合水色丸の部分が押し目となり、オーソドックスなエントリーポイントです。
レジスタンスをまたいでの売買の転換は『レジサポ転換』とも呼ばれ、エントリーチャンスの多いポイントとなりやすいので要注目です。
次のチャートは移動平均線とトレンドラインが表示されたチャートです。
上昇過程で移動平均線にタッチしたポイントやトレンドラインにタッチしたポイントも絶好の押し目となります。
チャートの場合、RSIは50%ラインを目安にしながら移動平均線かトレンドラインタッチで買いエントリーがベストです。
上位足に逆らわない
次にチャート分析をするときは、必ず上位足のトレンドを確認することでより精度を上げることが可能になります。
特に望ましいのは、上位足が上昇トレンドの時に下位足も上昇トレンドを形成している状態の押し目でエントリーする事です。
もし、上位足が下降トレンドで下位足が上昇トレンドを形成している時に押し目買いでエントリーしたとするとどうでしょう?
この場合、もちろんそのまま上昇していくこともありますが、保有時間が長くなるほど上位足の影響を受けるので、最終的に下落する可能性が高くなってしまいます。
つまり下がる可能性が高くなるので、負けるリスクが上位足と下位足のトレンドがそろっている時よりも上がってしまうのです。
リスクを極力減らしていくことが最優先のFXトレードにおいては、そうしたことが上位足のトレンドも必ず確認する方が良いと言えます。
こうした上位足と下位足のチャート分析は『マルチタイムフレーム分析』と呼ばれチャート分析の基本となっています。
マルチタイムフレーム分析はRSIを使った順張り手法に限らず必ず身につけておきたい分析方法です。
マルチタイムフレーム分析について詳しくは次の記事を参考にして下さい。
ボリンジャーバンドやエンベロープと組み合わせる
RSIにボリンジャーバンドやエンベロープを組み合わせるのも有効です。
ボリンジャーバンドやエンベロープは移動平均線のようにチャートに直接表示し、ラインからの乖離率や傾きからチャート分析が可能です。
次のチャートはボリンジャーバンドとRSIを表示しています。
図では下落トレンドの戻り売りのポイントがわかりやすい場面です。
ボリンジャーバンドの傾きで下落トレンドを判断しながら、RSI50%タッチで売りエントリーを狙うイメージです。
もしボリンジャーバンドの活用方法がわからない場合は次の記事を参考にしてください。
そして次のチャートにはエンベロープとを表示しています。
RSIとエンベロープの組み合わせも使い方や押し目の判断はボリンジャーバンドと同じです。
RSI手法の鉄板「ダイバージェンシー」
RSIを活用する際に必ず意識しておくべきなのが『ダイバージェンシー』です。
『ダイバージェンシー』はRSIに発生するトレンド継続の鉄板パターンですので、発生したらエントリーチャンスです。
通常はチャートが上値を切り上げているとRSIも上値を切り上げていくのですが、まれにRSIは上値を切り下げるパターンとなる事があります。
この状態のことを『ダイバージェンシー』と呼び、トレンドの終焉や転換を示す合図となります。
図ではRSIに『ダイバージェンシー』が発生した後、上昇トレンドが終わったことがわかります。
RSIの設定
RSIのパラメーターは自分に合った数値を選択すればよいのですが、もし最初で分からない場合は次の数値を参考にしてください。
また、プラットフォームの標準設定をまずは利用してみるのも良いでしょう。
RSIのパラメーター設定
ここではMT5でのRSIの設定を説明していきます。
上部メニューバーから『挿入』⇒『インディケータ』⇒『オシレーター』⇒『Relative Strength Indicator』と進みます。
次の画面で期間を入力して『OK』をクリックすればチャートにRSIが表示されます。
MT5では既定の期間は『14』に設定されています。
よく使われる期間は『14』ですが、そのほか『9』『28』『50』などが使われることもあります。
期間は小さくなればRSIの動きは急になり、大きくなればRSIの動きはなめらかになります。
まずは既定の『14』から使ってみて、手法に応じて適宜期間を調整するのが良いでしょう。
まとめ
オシレーター系の代表的な指標であるRSIはトレンド系のインジケータと組み合わせると非常に効果的です。
特にRSI+トレンド系インジーケータの愛称はベストマッチです。
トレンドを把握しながらRSIの50%ラインや30%(70%)ラインを目安にすれば、押し目(戻り目)を判断するのも容易になります。
基本の押し目買いをマスターして収益チャンスを増やしましょう。
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