移動平均線の活用に慣れてきたら、「MACD」の活用もお勧めします。
なぜお勧めするかというと、「MACD」は移動平均線を基本としているテクニカル指標なので、理解しやすいからです。
エントリーやイグジットのタイミングに利用したり、トレンド転換の察知にも活用できます。
トレンド系とオシレーター系の要素を併せ持った指標が「MACD」です。
まさに移動平均線の進化系と言うわけです。
「MACD」の性質や活用の仕方を理解してトレードに活用しましょう。
「MACD」とはどんな指標なのか
「MACD」は『マックディー』と読み、『Moving Average Convergence Divergence』の頭文字を繋いだものです。
日本語に訳すと、「移動平均収束拡散法」となります。
難しそうに聞こえますが、2本の指数平滑移動平均線の差をから算出した指数を利用して、相場の方向を捉えようとするものです。
「MACD」は、2本のラインと棒グラフで構成されています。
①MACDライン(図:水色線)
②シグナルライン(図:赤色線)
③ヒストグラム(図:緑色棒グラフ)
MACDラインは、2本の指数平滑移動平均線(EMA)の差をラインにしたものです。
シグナルラインは、そのMACDラインの平均線になります。
ヒストグラムは、MACDラインとシグナルラインの差を棒グラフで表したものです。
ヒストグラムは使用ツールによって表示されない場合もあります。
「MACD」では、単純移動平均線(SMA)ではなく、指数平滑移動平均線(EMA)を利用するのが特徴です。
指数平滑移動平均線(EMA)を利用しているという事は、単純移動平均線(SMA)にくらべ、より直近の価格を重視しているわけです。
価格変動に対して、単純移動平均線より早く反応するので、トレンドの初動やトレンドの終わりを早く知る事が可能になります。
指数平滑移動平均線については、以前の記事もご覧ください。
「MACD」から何を読み取るか
「MACD」からは、相場の方向感等、多くの事が読み取れます。
- トレンドの方向
- トレンドの始まり・終わり
- エントリーやイグジットのポイント
- 相場の強弱
MACDとシグナルのクロスから判断する
MACDとシグナルのクロスする点をエントリーポイントとして活用する事ができます。(図;赤丸)
MACDが0ラインから大きく離れて山や谷を作る時は、短期EMAが上下のどちらかに大きく振れている時なので、相場の勢いは強く、一方向に動いた事になります。
一方向の勢いが薄れると、徐々にMACDは0ラインに戻ろうとします。
その時にゴールデンクロスした点が『買い』デッドクロスした点が『売り』のエントリーポイントとなります。
クロスする角度が急である程、信頼性は高まります。
MACDは、単純移動平均線より早く反応するので、エントリーポイントをいち早く知る事が出来るのです。
ゼロラインの上下から判断する
MACDが0ラインとクロスする点もエントリーポイントとして活用する事が出来ます。(図:水色丸)
0ラインは短期EMAと長期EMAの交差する点を表します。
例えば、0ラインの下からのゴールデンクロスから買いでエントリーした場合、上昇トレンドが強くなると、MACDが0ラインを下から上に抜けます。
0ラインを上抜けた点をエントリーポイントとしたり、買い増しのポイントとする事が出来ます。
売りの場合は、その逆になります。
ダイバージェンシーから判断する
ダイバージェンシーとは、逆行現象の事を指します。
MACDに限らず、オシレーター系の指標では、しばしばダイバージェンシーという現象が現れます。
MACDのダイバージェンシーは、チャートは右上がりで高値を更新しているのに、MACDは右下がりの状態です。(図:黄色線)
トレンドの勢いが弱まり、トレンドの終わりが近い可能性があると考える事が出来ます。
トレンドのスタートでエントリーしていた場合は、ダイバージェンシーが現れた点を、利確ポイントと設定することが出来ます。
売りでも買いでも一緒なので、どちらでも利用することが出来ます。
「MACD」も完璧ではない
MACDも万能ではなく、レンジ相場やジリ高(ジリ安)相場には適していません。
レンジ相場などでは、平均線のクロスが頻繁に起きてしまう為、MACDの指標も正常に機能しなくなってしまうのです。
また、急激な価格変化がが起きると、動きについていけずに機能しなくなる事があるので、注意が必要です。
平均線や他の指標と組み合わせたりする事で、より精度を高める事が出来ます。
自分の得意パターンを見つけて、実践に取り入れてみて下さい。
文中の画像はMT5を使用しています。
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