FXの手法において、「窓埋め手法」と言うものがあります。
分かり易いのが、月曜日の取引き開始時の値段が金曜日の終値からかけ離れてスタートする場合です。
週末に為替が動く要人の発言や事件が起こったりすると、大きく上振れたり、下振れたりする事で、価格差が生じます。
その時に出来た、ローソク足同士の隙間が「窓」と呼ばれます。
この「窓」を利用した「窓埋め手法」は、手軽に実践出来る手法なので、取り入れている方も多いと思います。
今回はこの「窓埋め手法」について、掘り下げてみます。
なぜ窓が空くのか
上のチャート図の黄色い丸の部分が「窓」ですが、なぜ「窓」が空くのでしょうか?
FXは24時間取引が可能なので、常に価格が動いているのですが、多くのFX会社は土日の取引きが出来ません。
この取引きの出来ない時間帯に価格が大きく動く事が起きると、月曜日の朝の価格とのずれが生じます。
また、月曜日でなくても、雇用統計などの値動きの大きい指標発表が、予測と大きく乖離した結果だったりした場合も、窓を開ける事があります。
価格が大きく動く事とは、下記の様なものです。
- 要人の為替に影響するような発言
- 天災やテロなどの事件・事故の発生
- 指標発表
好材料か悪材料かの内容によって、週明け上窓(ギャップアップ)になったり、下窓(ギャップダウン)になったりするわけです。
為替に与えるインパクトが大きければ、大きい程、それだけ大きな窓が空く事になります。
なぜ窓を埋めに行くのか
窓が空くと言う事は、それほど窓が空いた方向への影響が強い事になります。
単純に窓が空いた方向にそのまま進んで行きそうな感じがしますが、なぜ逆行して窓埋めに向かうのでしょうか。
いくつか理由が考えられますが、下記の理由が大きいです。
- 行き過ぎた価格を新規の買い(売り)と捉えた逆張りトレーダーの注文
- 週末から持ち越したトレーダーの利確による反対売買
- 週末から持ち越したトレーダーの損切りによる反対売買
週末から週明けにかけて、大きな窓を開けた場合は、裁量での注文に加え、指値や逆指値の注文が自動で執行される事により、さらに大きく動く事になります。
窓埋め手法とはどんな方法か
「窓埋め手法」とは、非常に簡単な手法です。
①下窓(ギャップダウン)の場合:買いでエントリー
②上窓(ギャップアップ)の場合:売りでエントリー
どちらも窓埋め地点が利確ポイントになります。
一説によると、空いた窓がその日の内に埋める確率は90%近くあると言われています。
つまり90%近い勝率がある手法と言えます。
もちろん100%ではないので、窓埋めせずに逆行した場合は、適切なポイントで損切りを入れる事を忘れないでください。
その際は、損益比率を鑑みて、空いた窓のPips数に対して設定したり、節目のラインに設定すると良いでしょう。
窓埋め手法は有効なのか
窓埋めの確率が90%以上と言う事を考慮すると、かなり有効な手法と言えます。
だからこそ、多くのトレーダーが、窓埋め手法を実践しているのではないでしょうか。
但し、必ず窓が埋まる訳ではありませんので、注意も必要です。
自分のトレードスタイルに合わせて取り入れる
時間軸を無視すれば、為替は上下に動くので、空いた窓はいつか埋まるのです。
そういう意味では、ほぼ100%窓を埋めるわけですが、窓埋めまでずっとポジションを保有し続けるというのは、資金効率が悪いです。
それは、窓を埋めるのが明日かもしれませんし、来週かもしれないからです。
例えば、「その日の内に窓埋めしなければ損切り」と言った具合に、期間を区切るルール事で、自分のトレードスタイルに合わせましょう。
窓埋め手法を禁止しているFX会社もある
私がメインで使用している「XM」は窓埋め手法を禁止しています。
また、その他でもハイレバレッジでの窓埋めの禁止などをルールとしているFX会社もあります。
まずは、自分のFX会社が窓埋め手法が可能かどうかを確かめる事をおすすめします。
ルール違反となれば、最悪の場合は、口座凍結などで、利益が引き出せなくなってしまう事もありえますので、注意しましょう。
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