3日午前(日本時間3日夜)にアメリカは、新型コロナウィルスの感染拡大懸念から、『緊急利下げ』を実施しました。
直後にドル売りから、一時1ドル=106円台にまで円高が進みました。
ニューヨーク株価指数も直後は買いが優勢だったものの、買いの勢いは続かず、結局値を下げる結果となってしまいました。
コロナの経済に与えるマイナスの影響はさらに大きくなると思われ、ネガティブに捉えらる格好となってしまったのです。
この流れは今後もしばらく続きそうで、株式市場は一段の下落もあり得ますし、さらなる円高が進む可能性もあります。
コロナウィルスの世界的な感染拡大
中国に端を発したコロナウィルスの感染は、アジア圏からヨーロッパ(特にイタリア)、中東と広がり、アメリカでも感染が拡大傾向にあります。
世界各地で感染拡大が続いており、終息する気配は今のところありません。
このままさらに拡大が続けば、世界各地での経済活動は停滞し、その経済損失は計り知れません。
拡大すればする程、経済へのダメージも拡大することになり、不景気がより鮮明になってしまいます。
世界各国の中央銀行は、そのような事態を避けるために、様々な金融政策を打ち出しています。
そのうちの一つが、アメリカの『緊急利下げ』というわけです。
アメリカの0.5ポイントの利下げは11年ぶり
今回の緊急利下げでは、0.5ポイントの利下げとなり、政策金利は1.0%~1.25%となりました。
0.5ポイントの大幅な利下げは、リーマンショック以来11年ぶりです。
FRB(連邦準備制度理事会)は、全会一致で利下げを決定しており、さらに17日の会合を待たずに実施している点からも、コロナの経済への悪影響を強く懸念している事が伺えます。
トランプ大統領は、今回の利下げは不十分とし、さらなる利下げを要求しています。
アメリカの緊急利下げの効果は限定的だった
0.5ポイントという、思い切った利下げだったにも関わらず、その効果は限定的でした。
ある程度織り込み済みであった事と、利下げをプラスに捉えるどころか、そこまで経済は深刻な状況に陥っているとマイナスに捉える向きが多かったわけです。
実際、ニューヨーク市場は利下げ直後は上昇したものの、終値ではマイナスに沈んでいる点からもその事は明らかです。
コロナウィルスの経済へのダメージはじわじわ拡大している点も非常に厄介です。
感染者の拡大が続く限り、市場心理が好転する事もありません。
それまでは景気刺激策で一時的に好感されたとしても、本格的に反転するには時間を要することになってしまいます。
FRB議長も先行きは不透明であると、会見で話しています。
為替市場もまだまだ不透明な状態が続きそう
株式市場と同様に、為替市場でもまだまだ不透明感は続きそうです。
実際ドル円も106円台突入から、さらに円高に進んでいる状況です。
どこで下げ止まるかは、コロナウィルスの感染状況の様子を見ながら判断する事になりそうだと、個人的には感じています。
経済へのマイナスがどの程度かの見極めも必要になってきます。
3月に入り、日本国内では、小中学校は休校になり、商業イベントも中止が相次いでいます。
また、オリンピックまでも中止の可能性が浮上しているとの報道も出てきました。
いずれにせよ、いち早く混乱が収まる事を願うのみです。
市場が荒れているだけに無理はせず、様子見を見ながらチャンスを伺って行きたい場面です。
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