FXの手法である『ナンピン』と『ピラミッティング』はどこが違うの?
そう疑問に思っているトレーダーも多いのではないでしょうか。
『ナンピン』も『ピラミッティング』も分割エントリーという点では共通しているのですが、エントリー時にトレーダーの置かれている状況が決定的に違うのです。
そこで本記事では似て非なる『ナンピン』と『ピラミッティング』の2つの手法の違いを詳細に解説していきます。
リスクを最小限に抑えながら利益を積み増したいトレーダー必見の内容です。
ナンピンとピラミッティングの決定的な違い
ナンピンとピラミッティングはどちらも最初のエントリー後に追加でポジションを積み増していく手法です。
いわゆる『分割エントリー』と呼ばれるエントリー方法になります。
どちらも少しずつポジションを増やしていく点は共通しているのですが、決定的な違いがあります。
ナンピン手法とピラミッティング手法の決定的な違いとは『含み損を抱えている』か『含み益を抱えている』かの違いです。
ナンピンはエントリー後に含み損が発生したときに、平均取得単価を下げるために追加でエントリーすることを指します。
逆にピラミッティングはエントリー後に含み益が発生し、その利益をさらに増やすために追加でエントリーすることを指します。
最初のエントリー後に追加でエントリーする点はどちらも一緒ですが、トレーダーの置かれている状況は180度違うわけです。
ナンピンは含み損を軽減するための追加エントリー
ナンピンは最初のエントリー後に予想に反して含み損が膨らんだ時に追加でエントリーする手法です。
ナンピンをすることによって平均取得単価を引き下げる(引き上げる)ことができるので、再度価格が予想の方向に動いたときに利益を出すことが可能になります。
ただし、価格がさらに予想に反して動くと、ポジションを増やした分含み損のさらに増大してしまうので注意が必要です。
ナンピンの怖いところは、含み益になるまでに時間がかかりやすいという点です。
なぜならば、ナンピンを考えるということは、その時点でマイナスを抱えていることになります。
その含み損を抱えている状態でナンピンをしても含み損は解消されず、マイナスからのスタートになってしまうので時間がかかってしまうのです。
ピラミッティングは含み益を上積みするための追加エントリー
では逆にピラミッティングはどうかと言うと、最初のエントリー後に含み益を抱えていることになります。
含み益を抱えている状態で追加のエントリーをするので、平均取得単価は下がりますが含み益の状態は変わりません。
さらに価格が伸びれば、追加したポジション分さらに含み益を積み増すことが可能になります。
万が一ピラミッティング後に価格がマイナス方向に転じたとしても、含み益が減るだけなので、限りなくリスクは抑えられることになります。
含み益のある状態でポジションを追加するので、精神的にもかなり楽にエントリーできる点もピラミッティングの利点と言えます。
安易なナンピンには注意が必要
FX初心者に多いのが、エントリー後に逆行してしまったために安易にナンピンをしてしまうことです。
簡単にナンピンをしてマイナスを取り返そうとすると、多くの場合が傷口を広げてしますことになります。
なぜならば、もともと予測に反して価格が動いている状態なので、基本的にはそのまま流れに乗って逆方向に行くことが多いからです。
マイナスを取り返そうとするナンピンは、その流れに逆行することになります。
いわば価格が元に戻ることを期待してエントリーする『お祈りトレード』になるので、マイナスがさらに拡大する可能性が高いと言えるわけです。
そんなのわかりきったことじゃん。
そんな位置でナンピンするわけないじゃん。
そんな風にきっとあなたも思っているはずですが、実際にマイナスを抱えた場面に直面して冷静に判断できるトレーダーは意外に少ないものです。
予想以上に膨らんだマイナスを受け入れたくないという意識が、ナンピンを繰り返させてしまうのです。
そして気が付いたら雪だるま式に損失が膨らんでしまい、結局退場することになってしまったという話はよく聞く内容です。
無用な損失を抱えないためにも安易なナンピンは避けて、一度損切りを実行してから再度エントリーし直すことをおすすめします。
ピラミッティングはリスクなしで利益増大の大チャンス
ピラミッティングとナンピンであれば、間違いなくピラミッティングを上手に活用すべきと言えます。
なぜならば、ピラミッティングはすでに抱えている利益を失うだけで済ませることが可能だからです。
投資資金さえ消滅しなければ、何度でも再度チャレンジすることが可能ですので、資金を減らす可能性の低いピラミッティングは最適の手法と言えるのです。
さらに、価格が予想通りに推移すればポジションを追加した分利益もさらに上乗せすることが可能なので、しっかり利益も追い求めることが可能です。
具体的にはピラミッティングで追加エントリー後に、平均建値まで損切りラインを移動させるのです。
たったこれだけで万が一ピラミッティング後に価格が逆行しても、それまでの含み益を失うだけで元本は減らさずに済むのです。
ピラミッティングの詳しいエントリーについては次の記事を参考にしてください。
安易なナンピンは厳禁だが、ピラミッティングはおすすめ
ピラミッティングとナンピンの大きな違いはトレーダーのおかれている状況がプラスかマイナスかという点でした。
安易なナンピンはケガのもとですが、ピラミッティング手法は活用方法次第では利益を大きく伸ばすチャンスを得ることができます。
チャート分析をしっかり行ったうえで、効果的なピラミッティング手法を使って利益を増やしましょう。
また、ピラミッティング手法はレバレッジ倍率の高い海外FXとの相性も良いので、少ない資金で大きな利益を狙うなら海外FXも活用することをおすすめいたします。
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