FXのチャート分析においてもっとも利用者が多く、もっともシンプルなツールが水平線とトレンドラインです。
数多くのツールやインディケーターがある中でも、水平線とトレンドラインを使いこなせれば分析精度は大きく上がります。
しかし、実際のチャート分析において水平線とトレンドラインを有効に活用出来ているトレーダーは少ないのも事実です。
そこで本記事では実際のチャートを使い水平線とトレンドラインの引き方やチャート分析の活用方法を詳細に解説していきます。
チャート分析で水平線やトレンドラインを有効に利用したいトレーダー必見の内容です。
チャートに水平線とトレンドラインを引く
図①は2019年8月~9月頃のドル円4時間足チャートで、水平線やトレンドラインを引いていません。
チャートの相場は、それまでの下落が一段落し、横ばい相場から上昇に転じようとしている場面です。
なんのラインも引いていないこのチャートだけを見て、エントリーとイグジットポイントを判断できれば問題ありませんが、なかなか難しいのではないでしょうか。
そこで役に立つのが『水平線』と『トレンドライン』です。
まずは、図①のチャートに水平線とトレンドラインを引いていきましょう。
図②は、図①のチャートに水色の水平線3本と黄色のトレンドライン1本引いたものです。
水平線とトレンドラインを引いただけで、横ばいから上昇への動きがより鮮明に見て取れるようになりました。
チャートに水平線を引く時は、次のポイントを意識すると効果的なラインが引けます。
≪水平線を引く際のポイント!!≫
- 直近の安値や高値に引く
- 意識されやすい価格に引く(節目の価格・何度も反応している価格)
直近の安値や高値は最もトレーダーが意識しているポイントです。
そして、安値や高値を更新してきた方向にトレンドが出やすいので、重要なラインとも言えます。
また、100.00円や100.10円などの節目の価格も意識されやすいラインなので、水平線を引くときには頭に入れておきましょう。
もちろん反発したポイントや反転したポイントも重要なラインになります。
トレンドラインも基本的には一緒ですが、トレンドラインを引くときは次のポイントを意識しましょう。
【トレンドラインを引く際のポイント!!】
- 押し安値(戻り高値)の連続にラインを引く
- ヒゲに引くか実体に引くかはケースバイケースでOK
安値の切り上げや高値の切り下げが起きている所が、トレンドラインを引けるポイントになります。
安値の切り上げと高値の切り上げが同時に起きていると、上昇トレンドと判断できますので、そのようなポイントにはトレンドラインを引きましょう。
水平線とトレンドラインについて詳しくは次の記事を参考にしてください。
上記のポイントを意識して引いた水平線とトレンドラインは先程のチャートに照らし合わせるとどのような根拠で引いたかを次で解説していきます。
水平線①の根拠は節目
水平線①は矢印の地点で上抜けるまでに5回赤丸印で頭を抑えられています。
表示している期間で5回跳ね返されているので、かなり多くのトレーダーに意識されているラインと見る事ができます。
チャートの水平線①は強く機能しているので上抜けにくいと考えられますが、反面上抜けた時は勢いよく上に行くとも考えることができます。
そのため、矢印のポイントで上抜けたタイミングは大きく上に伸びる可能性が高いと判断できるのです。
水平線②の根拠は直近高値
水平線②は、水平線①を上抜けた時の高値に引いています。
その後の値動きを見ると水平線②に一旦タッチした後に再度上昇している事がわかります。
直近高値として意識されており、押し目買いのポイントと判断できます。
水平線③の根拠は安値とレジスタンス
水平線③はもみ合いの時に何度か押し返されているラインです。
もみ合い時の最安値ではないのですが、上抜け前の押し安値よりも少し下のラインという事で、損切りポイントを水平線③辺りに設定しても良いでしょう。
トレンドライン①の根拠は押し安値
トレンドライン①は矢印の地点の高値を形成する直前の安値を押し安値とします。
押し安値を起点として、次の安値を結ぶとトレンドラインが引けます。
水平線①とトレンドライン①が交わっている丸の地点は買いエントリーの絶好のポイントとなります。
何故ならば、レジサポ転換で再度上昇する事が考えられる上に、サポートラインもレスタンスとして機能する可能性が高いからです。
水平線とトレンドラインを引いたら相場を読む
チャートに水平線とトレンドラインが引けたら、トレンドや値動きを読んでいきましょう。
水平線とトレンドラインからチャートを分析するには、次の2点を明確にする事でエントリーしやすくなります。
- トレンドの方向を読む(上昇トレンド・下降トレンド・レンジ相場)
- レジスタンスとサポートポイントを読む
トレンドの方向と反発するポイントが分かれば、かなり精度の高い分析が可能になります。
もちろん100%予測した値動きになる事はありませんが、慣れてくると特定の『チャートパターン』に気づきやすくなってきます。
『チャートパターン』とは例えば水平線の場合、『レジサポ転換』と呼ばれるものがあります。
レンジをブレイクした後にリターンムーブが起こり、再度水平線にタッチして切り返していく動きを『レジサポ転換』と言います。
チャートで見ると、赤丸の地点と黄色丸の地点が『レジサポ転換』にあたります。
もし、『レジサポ転換』のチャートパターンが頭に入っていると、『レジサポ転換』しそうな場面で水平線が引けていれば、エントリータイミングを見極めることができるのです。
上昇トレンドか下降トレンドかレンジ相場かを判断する
ラインを引くとトレンドの判断がより簡単になるよ!!
水平線とトレンドラインを引けばトレンドの方向がより鮮明に分かるようになります。
特にトレンドラインは相場の方向や強弱が一目で分かるラインなので、トレンドの判断には非常に適しています。
そして、チャート分析において明確にトレンドラインが引けたときは、トレンドも明確に出ていると判断できます。
トレンドの方向が大まかにでも分かれば、売りでエントリーするか買いでエントリーするかの戦略が決定出来ます。
トレンドがはっきりしていない時やよく分からない時はエントリーしないという選択もありえます。
レジスタンスとサポートから値動きを判断する
レジサポが分かれば、その後の動きの予測がしやすくなるよ!!
大まかにトレンドが判断できたら、次にレジスタンスとして機能しているポイントやサポートされているポイントを確認します。
レジスタンスやサポートは、強ければ強い程、機能する可能性が高くなるため、絶好のエントリーポイントとなります。
そして、価格が再度レジスタンスラインやサポートラインに触れた辺りでエントリーしていくのが最もシンプルなエントリー方法と言えます。
例えば、上昇トレンド中にサポートラインが機能していると判断出来る時、価格が再度サポートラインに触れたら買いでエントリーすると言う方法です。
この場合トレンドの流れに沿った順張りのエントリーという事になります。
もし、価格がトレンドラインを大きく割れてしまった場合は損切りするようにします。
水平線とトレンドラインを併用したエントリー例
水平線とトレンドラインを引いたチャートからエントリーと利確目標と損切りを判断してみましょう。
エントリーと利確&損切りは、トレーダーの求める利益や手法によって変わってきますので、あくまでも手法の一例としてご覧ください。
まず、これまでのチャート分析にて『上昇トレンド』と判断したので『買いでエントリー』出来るポイントを探していきます。
次に、押し目となりそうなポイントを探していきます。
上昇トレンド発生時の押し目の目安を判断するにはトレンドラインが便利です。
利確についてはトレンドの上限や値幅観測で設定していきます。
水平線とトレンドラインだけでFXは勝てるのか?
FXの経験者ならば、次のような疑問をお持ちのトレーダーも多いでしょう。
水平線とトレンドラインをますたーすればFXは勝てるの?
この疑問には多くの答えがありますが、結論勝つ事は可能です。
何故ならば、水平線とトレンドラインはチャート分析の基本ですので、明確な勝てるポイントでエントリーすれば負ける事はありません。
但し、FXの相場は常に同じ動きをするわけではありませんので、損切りなどを明確にしておくことが大前提です。
もし、あいまいなルールのままトレードを行えば、どんなに水平線とトレードラインを正確に引けても勝つ事は難しいでしょう。
また、数多くあるインディケーターを併用すれば、トレンド判断やエントリーポイントをより簡単に探し出す事も可能になります。
自分にあったツールやインディケーターを組み合わせてトレードする事で勝率を高めるのも良いでしょう。
メジャーなインディケーターの詳細については次の記事を参考にしてください。
水平線とトレンドラインはまずは思った通りにチャートに引くべし
水平線とトレンドラインを引けるようになると、様々なメリットがある事がお分かり頂けたはずです。
はじめはどこに引いたら良いのか迷ってしまっても、沢山引いていくとポイントが分かってきますので、まずは思った所に引いてみましょう。
そして、水平線とトレンドラインには多くのメリットがあります。
必ず思った通りに動くわけではありませんが、水平線やトレンドラインを活用すればチャート分析の精度を向上させることができます。
また、自分や相場に合ったインディケーターやツールを組み合わせて、自分のトレード戦略を明確にする事も勝率アップの方法です。
まずは実際のチャートにどんどんラインを引いてコツをつかんでいくことをおすすめします。
※記事中のチャートはXMのMT5を使用しています。
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