『FXで損をして破産してしまった。』
『FXで多額の借金を背負ってしまった。』
『FXはギャンブルだからとても危険だ。』
と言った声を耳にする事があります。
はたしてFXで破産するとは本当なのでしょうか?
本記事ではFXで破産してしまう人の傾向を詳細に解説していきます。
FXは何だか怖いと思っている方にこそ読んで頂きたい内容です。
FXで破産する本当なの??

まず、『FXで破産するか?』と言う疑問についてですが、答えは『Yes』です。
ただし、FXトレーダーがみんな破産するわけではなく、間違った投資をしてしまうと破産する可能性があるということです。
間違った投資とは具体的には借金をして投資を行う事を指します。
借金とは、金融機関や知り合いからお金を借りたり、クレジットカードで入金をしたりする事全部で、余裕資金でない資金の事です。
何故借金をすると破産する可能性があるのかと言うと、FXは投資なので資金を失うリスクがあるからです。
もし、借りたお金を投資して資金を失ってしまったら、借金だけが手元に残る事になってしまいます。
残った借金が自力では返済不可能な額だとしたら、結果的に破産の道に行くしかなくなってしまうのです。
少なからずこうした破産の道に進んでしまうトレーダーが存在している事で、FXはとても怖く、破産してしまうギャンブルであると感じている人が多いのです。
FXで破産する人はこんな人
それではFXで破産する人はどんな人なのかと言うと、ずばり『資金管理が出来ていないトレーダー』です。
FXトレードにおいて資金管理があいまいなトレーダーには次のような人が多かったりします。
- 借金をトレードに回す人
- 損失をすぐに取り返そうと無茶をする人
- 許容範囲以上のハイレバレッジでトレードする人
- トレードルールを無視する人
- トレードルールがない人
FXで破産まで行かなくても、手持ちの資金を溶かしてしまうトレーダーも大体同じような傾向があったりします。
一覧に複数当てはまるトレーダーは要注意です。
こんなトレーダーはすぐに資金を溶かすので注意!!

実際のチャートを見ながら、資金管理の甘いトレードをしていないかチェックしてみましょう。
次のチャートをご覧ください。
あなたはこの時、下落トレンド継続と判断して、赤丸の地点で売りエントリーしていたとしましょう。

エントリー後価格がそれまでの下落トレンドから反転して急上昇し、その後さらに上昇してしまった場面です。
価格は残念ながら下げる事はなく上昇に転じてしまったわけですが、通常ならあらかじめ設定したポイントで損切りを実行すべきポイントです。
トレードスタイルにもよりますが、短期トレードならばチャートの黄色丸あたりで損切りするのがベストと言えます。
ところが、事前の損切りポイントを過ぎてもポジションを保有し続けて、次のような行動をとってしまうトレーダーは非常に危険です。
- 価格は上昇し始めたが、一時だけなのでまたすぐ下げるだろう
- ここまで上がれば必ず下がるはずだから、追加で売りエントリーしよう
- しばらく耐えれば必ず下がるはずだからそのまま放置しておこう
運よく価格が戻ってくれば損失は回避できますが、必ず価格が戻ってくる保証がないのがFXの世界です。
そのため、事前の予想に反して価格が動いた場面では一度損切りをして次のチャンスを待つのが正解なのです。
予想に反した場面でためらわずにポジションを損切り出来るかどうかが、資金を失うか守れるかの分かれ道とも言えます。
FXは勝率だけ良くても資金を溶かしてしまう


じゃあ、FXは資金管理が万全であれば必ず勝てるの?
資金管理は勝率を高める上で非常に重要ですが、資金管理だけが完璧でもFXで利益を上げ続けるのは不可能です。
何故ならば、勝率や利益と損失のバランスも関係してくるからです。
勝率と損益バランスも理解していないと、あっという間に資金を溶かして破産の道に向かいかねません。
勝率:全トレードに占める価値の割合
全トレード中勝ち回数÷全トレード回数×100
損益バランス:1トレードあたりの平均獲得Pips
全トレードの獲得Pip+全トレード損失Pips÷10
次のような2つのトレード成績を一覧にしてみましたので比較してみましょう。
トレード回数 | 勝敗 | 獲得Pips |
1回目 | 勝ち | +5Pips |
2回目 | 勝ち | +5Pips |
3回目 | 勝ち | +5Pips |
4回目 | 負け | -20Pips |
平均 | 勝率75% | 平均獲得Pips-1.25 |
トレード回数 | 勝敗 | 獲得Pips |
1回目 | 負け | -10Pips |
2回目 | 負け | -10Pips |
3回目 | 負け | -5Pips |
4回目 | 勝ち | +30Pips |
平均 | 勝率25% | 平均獲得Pips+1.25 |
どちらも4回のトレードの実績です。
一見勝率が高ければ利益も出ていると考えがちですが、表のトレードでは勝率25%の方が利益が出ている事になります。
表は極端な例ですが、FXで安定した利益を上げるには勝率と平均獲得Pipsの両方が高い方が良いのは言うまでもありません。
もちろん、トレードスタイルによって勝率や平均獲得Pipsは変わってきますが、自分のトレードを振り返る時も勝率と平均獲得Pipsを計算してみましょう。
FXでは『コツコツドカン』と言う言葉がありますが、それだけ1回のトレードでそれまでの利益を溶かしてしまうトレーダーが多い証拠とも言えます。
バルサラの破産確率
前項で触れた勝率と損益率についてはバランスが大事だという事がお分かり頂けたと思います。

バランスと言われてもどの位の割合が適正なの??
そう感じられたトレーダーに分かりやすい一覧があります。
それが『バルサラの破産確率』と呼ばれる、勝率と損益率に応じた破産確率を表にしたものです。

出典 「eightban’s memo」 http://memo.eightban.com/excel/balsara
バルサラの破産確率からは、勝率と損益率がいくつの時にどの位の破産の可能性があるかを知る事ができます。
自分のトレード実績をバルサラの破産確率に照らし合わせれば、今後その実績のトレードを続けた場合に生き残れるかどうかを知る事ができるのです。
ちなみに先程のトレード例では、勝率25%で損益率が1.2でしたので、リスク割合が3%だったとすると、バルサラの破産確率では100%破産する事になります。
つまり、この実績では近い将来資金が溶けてなくなってしまいますので、勝率や損益率の改善が急務という事になります。
定期的に自身のトレードの勝率と損益率を算出してバルサラの破産確率に照らし合わせれば、安全なトレードができているかをチェックできます。
表ではリスク割合が3%ですが、もし資金に対してよりリスクを大きく取っている場合は、破産確率が上がりますので、自身のリスク割合に合わせた表で確認しましょう。
勝率=勝ちトレード回数÷全トレード回数×100
損益率=獲得Pips数÷損失Pips数
リスク割合=1回のトレードの許容損失額÷総資金額
FXで破産しないための理想の数値とは?

FXで破産しない理想の資金管理はどの程度なんだろう?
多くのトレーダーがそう感じているはずです。
バルサラの破産確率を基に考えていくと、『勝率』『損益率』『リスク割合』の3つの要素が決まれば、理想の数値が見えてきます。
まず、リスク割合を何%にするかが非常に重要なポイントです。
何故ならば、資金に対していくらまで損失を許容するかで破産確率が大きく変わって来るからです。
ここでは、リスク割合2%と10%の一覧を並べてみます。


リスク割合が大きくなれば、破産確率100%の面積が拡大しているのが見て取れます。
しかし、一定以上の勝率と損益率を維持できていれば、むしろ10%のリスクをとっても破産する事はありません。
つまり、リスク割合だけでなく自身のトレードの勝率と損益率も破産するかどうかに大きく関わってくるのです。
当然リスク割合が高まれば、高い勝率と高い損益率を求められる事になりますので、難易度は高まります。
FXをはじめて間もない場合は、勝率や損益率も安定しない事が多いので、リスク割合を大きくし過ぎると、損切りが遅れたりしただけで資金の全てを失いかねません。
そのため、最初の内はリスク割合を低めに設定し、勝率と損益率も低めに設定すると良いでしょう。
慣れてくれば、徐々にリスク割合を高めて利益を伸ばしていきましょう。
初心者の理想値は、リスク割合2%が目安になるでしょう。
何故ならば、一覧から分かる通りリスク割合が2%ならば、勝率50%かつ損益率1を少し上回れば破産する事はないからです。
つまり勝率50%で損益率1.5 もしくは勝率60%で損益率1ならば破産確率は0です。
≪リスク割合2%の時の破産確率0の実績≫
2回に1回勝ち&リスクリワード1:1.5
約3回に2回勝ち&リスクリワード1:1
まずはこの数値を目安に自身のトレードの実績を集計してみて、実績に応じてリスク割合を変えていくのが良いでしょう。
多くのトレード入門書がリスク許容額を2%と言っているのは、こうした点から出てきているわけです。
FXトレードを振り返り、勝率をチェックしよう

FXで破産しないためには、自分のトレード実績を理解し改善していく事が大事です。
トレード手法やツールの活用法ばかり頭に入れても、肝心の資金管理を無視してしまうと思うような結果に結びつかないでしょう。
逆もしかりで、資金管理のみでも利益を上げ続けるのは難しいでしょう。
FXで破産しないために、トレードの振り返りで課題を見つけ次のトレードに活かしていく事ができれば、成績も向上していきます。
『日々勉強』の精神でトレードスキルを磨き続けられれば、きっと良い結果がついてきます。
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