オシレーター系のインディケーターの中で、逆張りトレーダーに広く利用されているのが、『ストキャスティクス』です。
相場の過熱感を知る事の出来る『ストキャスティクス』を使えば、エントリーや利益確定のポイントを判断しやすくなります。
『RSI』とよく似たインディケーターですが、『RSI』と『ストキャスティクス』の違いを理解する事で、より自分のスタイルに合ったインジケーターを選ぶことが出来ます。
本記事では『ストキャスティクス』の特徴や見方を詳細に解説していきます。
『ストキャスティクス』を理解して、トレードに取り入れてみて下さい。
「ストキャスティクス」とはどんな指標なのか
「ストキャスティクス」とは、アメリカのジョージ・レーン氏によって考案された、オシレーター系のインディケーターです。
「ストキャスティクス」は、一定期間の高値と安値に対して、今の価格がどの位置にいるかを計算し、線グラフに表したもので、相場の買われすぎや売られすぎを知る事ができる指標です。
2本または3本のラインから構成されており、RSI同様に、0%~100%の間をラインが行き来しています。
3本のラインは、%K、%D、SD(Slow%D)とよばれます。
- %K・・・今の価格が、一定期間の最高値と最安値の間のどこにいるかを表したライン
- %D・・・%Kの任意の期間の移動平均線
- SD・・・%Dの任意の期間の移動平均線
%Kが基本となり、%K⇒%D⇒SDの順にラインは滑らかになっていきます。
判断方法もRSI同様に、20%~30%以下が売られすぎ、70%~80%以上が買われすぎと判断します。
ファストストキャスティクス
%Kと%Dの2本のラインを表示させたストキャスティクスを指します。(図下段)
反応が早く、変化をいち早く捉える事が可能です。
但し、その分ダマシも多く発生するので、注意が必要です。
スローストキャスティクス
%DとSDの2本のラインを表示させたストキャスティクスを指します。(図上段)
ファストストキャスティクスに比べると、反応は遅くなりますが、その分ダマシが少なくなります。
一般的にストキャスティクスと言うと、こちらのスローストキャスティクスを指している事が多いです。
【ストキャスティクスの算出方法】
%K=(直近の終値-期間中の最安値)÷(期間中の最高値ー期間中の最安値)×100
%D=%Kの移動平均
SD=%Dの移動平均
「ストキャスティクス」から何を読み取るか
「ストキャスティクス」のゾーンやラインの動きからは、相場の売られすぎや買われすぎを読み取る事が出来ます。
そこから、エントリーのタイミング等を計る事が可能になります。
ゾーンから判断する
「ストキャスティクス」では、20%~30%以下が売られすぎ、70%~80%以上が買われすぎと判断します。
より厳密に強弱を見極めたい場合は、20%以下を売られすぎ、80%以上を買われすぎと判断します。
ボックス相場や持ち合い相場の時に、ストキャスティクスが20%~30%以下で『買い』、70%~80%以上で『売り』のエントリーが可能になります。
【ストキャスティスでの売買ポイント】
20%~30%以下(売られすぎ)・・・買いエントリー
70%~80%以上(買われすぎ)・・・売りエントリー
ラインのクロスから判断する
ラインのクロスを利用してエントリーの目安とする事も出来ます。
ゾーンが30%以下で、%Kが%Dを上抜いた地点で『買い』、70%以上で%Kが%Dを下抜けたら『売り』でエントリーします。(図赤丸)
ゾーンで判断する場合に比べ、交差しているポイントでエントリーするので、より明確にエントリーしやすくなります。
ダイバージェンシーから判断する
他のオシレーター系のインディケーター同様に、ストキャスティクスもダイバージェンシーが現れる事があります。
ダイバージェンシーとは、逆行現象という意味で、相場は上値を更新しているにも関わらず、ストキャスティクスは上値を更新出来ていないような状態です。
下値更新の場合でも同様です。
ダイバージェンシーが現れると、売買の圧力が弱り、それまでのトレンドが終焉もしくは転換するかもしれないと考える事が出来ます。
ダイバージェンシーは、トレンドの順張りなどの利確ポイントとして活用する事が出来ます。
「ストキャスティクス」が強い相場
「ストキャスティクス」は、ボックス相場や持ち合い相場などの時に最大の威力を発揮します。
レンジでボックス相場を形成している時は、上下のレジスタンスラインに価格来た時に反発するのですが、丁度ストキャスティクスの買われ過ぎと売られ過ぎがそのタイミングと重なるからです。
その為、ストキャスティクスが『買われ過ぎを示したポイントで売り』、もしくは『売られ過ぎを示したポイントで買い』といったような『逆張り』の手法が有効になります。
逆に強いトレンド相場などでは、値が一方向に張り付いてしまい、機能しない事が多くあります。
また、緩やかに上昇をしている場面でもダマシが多く発生するので、トレンド相場には弱いと言えます。
ストキャスティクスに限った事ではないですが、環境認識で相場の状態をしっかり確認してからインジケーターの数値を活用するかどうかを決めましょう。
トレンド系のインジケーターとの組み合わせ
ストキャスティクスも例外なく、トレンド系のインジケーターとの相性が良いです。
2つの指標を組み合わせて、相場の状況を分析する事で、相場の過熱感やトレンドの方向をより正確に判断する事が可能になります。
FXトレードにおいては、エントリー前の環境認識が非常に大事ですので、多くのサインを見逃さずに正確に判断する事がとても大事です。
環境認識させ的確に出来れば、エントリーや利確も悩まなくて済むようになりますので、たっぷり時間をかけて環境認識を行いましょう。
その際は、それぞれのインジケーターの強みと弱みを理解した上で、トレードシナリオ作成に最大限に活用しましょう。
もちろん無理なエントリーは避け、損切りも忘れず設定しましょう。
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