海外FX業者の「XM」は、最大レバレッジ1,000倍が魅力的ですが、ハイレバレッジであるがゆえに適切な証拠金管理が重要になってきます。
そして、FXトレードで証拠金を管理する際に最も参考になるのが『証拠金維持率』です。
ここでは証拠金維持率の計算方法や、証拠金維持率の適正値を詳細に解説していきます。
「XM」でトレードする際の適正な証拠金維持率を知る事で、無用なロスカットを避ける事が可能になります。
資金量に対してどの位のロット数を持てばいいのか迷っているトレーダーにも是非読んで頂きたい内容になっています。
なぜ証拠金維持率が重要なのか?

FXでは『証拠金維持率』という言葉を多く耳にしますが、なぜ証拠金維持率が重要なのでしょうか。
それは、証拠金維持率は有効証拠金の割合を示している数値だからです。
つまりポジションを保有している状態の含み損と含み益を加味した証拠金額から割合がつかめるという事です。
リアルタイムの証拠金の額が必要証拠金に対してどの位かを理解していれば、無駄な損切りに合わないようにする為に役立てる事も可能です。
為替価格は常に変動しており、時には非常に大きな値幅となる事もあります。
そんな時に証拠金維持率を意識してトレードしていれば、適切なポイントで損切りも可能になります。
また、通貨ペアごとに異なる値動きの値幅に合わせた証拠金維持率を意識すれば、適正なロット数も計算する事が出来ます。
使い方次第でポジションの状況を瞬時につかめる様になりますので、証拠金維持率の目安を頭に入れておくと便利です。
証拠金維持率とは何なのか

証拠金維持率とは、口座に預けている証拠金から損益を差し引きした金額(有効証拠金)が、ポジションを持つのに必要な証拠金額(必要証拠金)に対してどの位の割合かをパーセンテージで表したものです。
例えば、次の場合で証拠金維持率を考えてみます。
≪口座資金100万円、1ドル100円≫
【1LOT(10万通貨)を買いポジションで保有した時の証拠金維持率】
1LOTのドル円を保有する為の必要証拠金額は、
100,000通貨×100円÷1,000倍=10,000円
口座資金は100万円なので、証拠金維持率は、
1,000,000円÷10,000円×100=10,000%(8879.4175…)
【1ドル101円になった場合の証拠金維持率の変化】
1ドルが101円になると、10万円の含み益になるので、有効証拠金が1,100,000円に増えます。
そうすると、証拠金維持率も上昇します。
1,100,000円÷10,000円×100=11,000%
この様に証拠金維持率は、有効証拠金額に対して計算しますので、決済前の含み益や含み損の状態でも数値は変化します。
つまりリアルタイムの証拠金の状態を知る事が出来るというわけです。
証拠金維持率から分かる事
証拠金維持率を活用すれば次のような事が分かります。
〇証拠金に対してポジションの保有量は適正か
〇損切り(利益確定)をどこに設定するか
〇含み損にあといくらまで耐えられるか
〇追加のポジションをあとどのくらい持てるか
「証拠金に対してポジションが大きすぎないか?」「損切りまでのどの位の余裕があるか?」と言った事が維持率を目安に判断する事が出来れば、非常に効率よくトレードを行えます。
証拠金維持率と損失許容幅の関係
証拠金維持率は、資金管理において重要な数値ですので、当然損切りや損失許容幅にも結び付きます。
損失許容額から、エントリー時の証拠金維持率を計算しておくことで、損切りと利確の目安にする事も可能です。
次のドル円に買いでエントリーする場面で考えてみましょう。
ドル円は1ドル100円と仮定して、証拠金額やリスクリワードは計算しやすいような設定にしています。
証拠金額 | 100,000円 |
損失許容額 | 10,000円 |
利益確定額 | 10,000円(リスクリワード1:1) |
1LOTあたりの必要証拠金 | 10,000円 |
エントリー時の証拠金維持率 | 1,000% |
この場合、100.10円に値上がりすれば、10,000円の利益になります。
10,000円の含み益が出ると、有効証拠金は110,000円になります。
この時の証拠金維持率は、次の計算になります。
110,000円÷10,000円×100=1,100%
逆に含み損が10,000円の時は次のようになります。
90,000円÷10,000円×100=900%
エントリー前に利確と損切り時点での証拠金維持率を計算しておくことで、維持率のみ見ればポジションの状況を確認する事も可能になります。
『XMでの証拠金維持率は300%が適正』は本当か?

ネットで証拠金維持率を検索すると、『300%』が適正であるとの説明が出てきますが、これは本当なのでしょうか?
答えは、『いいえ』です。
何故ならば、適正な証拠金維持率は、トレーダーによって変わって来るからです。
証拠金維持率はトレーダーの損失許容額やトレード方法によって変化します。
長期トレードの様にポジションを長く持つ場合は、ある程度の値幅に耐えられるようにする必要があります。
逆に、短期トレード等の場合は、限定的な値幅の中で利益を取りに行くことになります。
どちらも同じ損失許容額とすると、短期トレードの方が証拠金維持率を下げてトレードが可能になります。
この様に、スキャルピングやデイトレード等の短期トレードと長期トレードを比べると、短期の方が損失は限定されますので、その分証拠金維持率を低く設定することが多くなります。
また、有効証拠金に対して、損失許容額が大きければ、同じトレードスタイルでも証拠金維持率は低下します。
トレーダーのスタイルや損失許容額によって証拠金維持率の適正値は変化してきますので、何%が正しいかはトレーダー個人によるものと言えます。
加えて「XM」では最大1,000倍のレバレッジをかける事が出来ますが、国内FXでは25倍までです。
最大レバレッジが違えば、もちろん維持率も違いますので、『一律に証拠金維持率は300%が適正である』とは言えないのです。
XMでの証拠金維持率の目安を持つ事は大事
証拠金維持率の適正値はトレーダーによって違いますが、どの位の維持率をキープすべきかの目安を持っておくことは大事です。
ここでは「XM」の1,000倍のレバレッジで、損失許容額やロット数に応じた証拠金維持率を耐えられる損失額までのPips数で一覧にしてみました。
証拠金10万円 1ドル=100円とする。
損失額(円) | 証拠金維持率 | ドル円価格 | 値幅 |
0 | 1,000% | 100 | 0Pips |
10000 | 800% | 99.9 | 10Pips |
20000 | 712% | 99.8 | 20Pips |
30000 | 623% | 99.7 | 30Pips |
40000 | 535% | 99.6 | 40Pips |
50000 | 446% | 99.5 | 50PIps |
60000 | 357% | 99.4 | 60Pips |
70000 | 268% | 99.3 | 70Pips |
80000 | 179% | 99.2 | 80Pips |
90000 | 90% | 99.1 | 90Pips |
100000 | ロスカット | 99.0 | 100Pips |
損失額 | 証拠金維持率 | ドル円価格 | 値幅 |
0 | 444% | 100 | 0Pips |
10000 | 400% | 99.95 | 5Pips |
20000 | 356% | 99.9 | 10Pips |
30000 | 311% | 99.85 | 15Pips |
40000 | 267% | 99.8 | 20Pips |
50000 | 223% | 99.75 | 25Pips |
60000 | 178% | 99.7 | 30Pips |
70000 | 134% | 99.65 | 35Pips |
80000 | 89% | 99.6 | 40Pips |
90000 | 45% | 99.55 | 45Pips |
100000 | ロスカット | 99.5 | 50Pips |
損失額 | 証拠金維持率 | ドル円価格 | 値幅 |
エントリー時 | 178% | 100 | 0PIps |
10000 | 160% | 99.98 | 2Pips |
20000 | 142% | 99.96 | 4Pips |
30000 | 124% | 99.94 | 6Pips |
40000 | 107% | 99.92 | 8Pips |
50000 | 89% | 99.9 | 10Pips |
60000 | 71% | 99.88 | 12PIps |
70000 | 53% | 99.86 | 14Pips |
80000 | 36% | 99.84 | 16Pips |
90000 | ロスカット | 99.82 | 18Pips |
100000 | ロスカット | 99.8 | 20Pips |
同じ10万円でも保持する通貨量によって耐えられる値幅が大きく変わってきます。
長期トレードで値幅が1円近く大きくなる場合は、900%以上の証拠金維持率が必要です。
逆にスキャルピング等で値幅が10Pips程度なら200%の証拠金維持率でもトレードは可能と言えます。
この様にスタイルによって適正な証拠金維持率は変化しますので、自分のスタイルに合った証拠金維持率を目安として持っておきましょう。
証拠金維持率の計算方法

証拠金維持率の計算は簡単です。
証拠金維持率=有効証拠金額÷必要証拠金額×100
有効証拠金:預け入れた証拠金から含み損益を増減した額
必要証拠金:ポジションのロット数を持つのに最低必要な証拠金額
必要証拠金=ポジション数×通貨価格÷最大レバレッジ(1,000倍)
「XM」の場合、スタンダード口座とマイクロ口座の最大レバレッジは1,000倍、ゼロ口座の最大レバレッジは500倍になっています。
必要証拠金の計算は口座タイプやレバレッジを変更している場合は変更した最大レバレッジに合わせて計算してください。
但し、ほとんどの場合が、ポジションを持った時点で、プラットフォーム上に表示されますので、わざわざ自分で手計算する必要はありません。
また、「XM」には便利な計算ツールがありますので、計算が苦手ならば、利用すると便利です。
XMでは証拠金維持率が20%を下回ると強制ロスカット

「XM」では証拠金維持率が20%を下回ると、強制的にポジションが決済されてしまいます。
ロスカット水準が20%の場合、国内のFXと比較すると長くポジションを保有する事は可能ですが、その分損失も大きくなりがちです。
むやみやたらにポジションを持ち続けるのではなく、トレードのシナリオに沿って証拠金維持率をコントロールしましょう。
どうしてもポジションをロスカットせずに持ち続けたい場合は、両建てという方法でロスカットを回避する事が出来ます。
これは、自分が持っているポジションと同数の反対のポジションを追加で持つ事で、売りと買いを相殺する方法です。
「XM」では両建てをすると、証拠金維持率が0になりますので、上がっても下がってもそれ以上損失が膨らむことはありません。
長期保有のポジションのつなぎ売り(買い)等でこの両建てを活用する事が出来ます。
但し、「XM」では複数口座間での両建ては禁止されていますので、注意しましょう。
また、両建ては難易度の高い手法ですので、よっぽどの場合を除いては、一度損切りしてから入りなす方が無難です。
自分に合った証拠金維持率を設定しよう

ここまでの解説で、証拠金維持率の適正値は個人によって違う事が良くお分かり頂けたと思います。
「XM」でトレードをする場合は、最大レバレッジとトレードスタイルに合った証拠金維持率をあらかじめ計算しておくと便利です。
常に自分の証拠金の状態を把握しながら、余裕を持ったトレードをする為に、証拠金維持率を意識する事をおすすめ致します。
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